真空管アンプのようなアナログ的な音がする高駆動力フルバランスヘッドホンアンプ

A級増幅回路をフルバランスで採用したアンプで10W@32Ωとちょっとしたスピーカーアンプ並みの出力を備えたドライブ力があるヘッドホンアンプです。本体の作りは両手で持つとずっしりと重みがあり、非常に剛性感が高いです。両側面に通気のため斜めに通気口が設けられており、こういう細かい作りこみや派手さはないが実直な造りが音を聞かなくても持っただけでこれは良い製品と思わせてくれます。
入力はRCA 1系統、XLR1系統のライン入力、出力はパワーアンプ接続用のXLR 1系統ライン出力、6.3mmと3pinXLR×2、4pinXLR、4.4mmバランスヘッドホン出力とシンプルなものです。
音質はアナログ的なウォームさを持ちつつ半導体アンプの持つ明瞭さも兼ね備えており、音楽の持つ熱量みたいなものを感じさせてくれて非常に聴き応えがあります。最近のアンプはクールな音質のものが多く、音質に関してはそういったアンプとは一線を画すものがあると思います。
発熱はA級増幅のためかなりあります。また、ハイゲインでも特にヘッドホンからはホワイトノイズは聞こえてきませんが、大型のトロイダルコアトランスを採用しているためか、特に冬場に電気の暖房器具を使用すると暖房器具が出す直流成分のため本体からブーンという音(コイル鳴き)が聞こえて気になることがあります。iFi audioのDC Blockerを使用し始めてからはコイル鳴きはしなくなっています。

価格は決して安価ではないのですが、その音質と駆動力の高さはこの価格帯でなかなかないものがあります。入力がXLRとRCA1系統づつしかないことと、リモコンはないこと、本体が熱を持つことぐらいがデメリットとしてあるくらいです。
他製品との組み合わせとしてはGoldenWave SERENADEとの組み合わせも素晴らしいですが、Eversolo DMP-A8のXLR出力での組み合わせもお勧めできます。
アナログ的な音質で音が良くかつ駆動力がしっかりあるアンプとして幅広くお勧めできる素晴らしい据え置きヘッドホンアンプだと思います。